2022 年 78 巻 5 号 p. I_135-I_142
袋型根固め材(FU)の周辺に堆積した土砂に,植生が繁茂することで,生物の生息域拡大,景観の改善,護岸の安定性向上といった効果が期待できる.本研究では,1列に並べたFU上に繁茂した植生が,河川護岸に及ぼす影響について,水理実験と数値計算による検討を行った.検討の結果,洪水時に倒伏する植生でも,周辺の流速を40%程度低減し,護岸の保護機能を有することが示された.植生による洪水時の水位上昇量は0.1m程度であった.一方で,植生の影響で河床洗掘は増大した.FU下部からの土砂流出範囲は,FU幅の半分以下であり,FU自体が傾斜して転落する洗掘量ではなかった.FUに繁茂した植生は,中小河川の水衝部の護岸保護に効果的である.