2022 年 78 巻 5 号 p. I_199-I_204
我が国においては台風や豪雨による洪水被害が頻発している.そのような中で河川管理が重要となるが,河道における河床材料の粒度分布は土砂管理の観点からも重要な指標である.しかし,粒径の考慮は河床表層に関するものが多く,より深い地点での河床材料に関する検討はあまり行われていないのが現状である.これらの情報は数値計算の精度にも影響を与えるため非常に重要なパラメーターである.
そこで本研究では,馬場目川を対象として,現地において複数地点から河床材料を採取し,平面方向と鉛直方向における粒度分布の変化を検討した.また,得られた粒度分布から数値計算を行い,一様粒径および混合粒径で比較を行った.その結果,混合粒径における計算が最も精度が高かった.一様粒径の数値計算では占有率のピーク値を入力した際に最も高くなった.