土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第30巻
大型回転円筒装置による水・砂・流木の分級現象に関する実験的検討
堀口 俊行齋藤 和樹
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2022 年 78 巻 5 号 p. I_205-I_216

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抄録

 環境変化に相まって大規模化傾向にある土石流の対策として透過型砂防堰堤が主として建設されている.その捕捉機構は,平常時は水や中小砂礫を下流に通過させることで土砂の供給を維持し,土石流発生時において,土石流の分級現象を利用して巨礫や流木により透過部を閉塞し,後続土砂を捕捉するものである.これは,土石流先端部に巨礫や流木が集中する分級現象が生起する前提で成り立っている.しかし,この現象論からの分級メカニズムに関する研究はあまり進んでいない.これは,土石流の流下距離や流速は水路の長さに制限があるため,直線水路を用いて実験的に観察することは難しいことに起因する.そこで本研究は,無限遠となる回転円筒装置を用いて,水,水と砂,水と流木,砂と流木の混合状態における分級現象生起のための条件および分級時に生起する運動形態について整理し,流木が水と砂の循環作用によって徐々に分級することを確認したものである.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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