2022 年 78 巻 5 号 p. I_51-I_61
近年,地球温暖化による極端気象の増加から洪水災害の頻度・規模が拡大している.洪水被害の激甚化に対し,流域全体で水害を軽減させる流域治水や各種適応策の検討が重要となっている.富山県河川では河道内に植生の繁茂が多く見られ,植生伐採による水位低減効果が期待できる.また水田土地利用が多く田んぼダムによる降雨の貯留効果も期待されている.本研究では富山県河川を対象に将来流量の変化を評価し,植生伐採と田んぼダムの効果を水位および侵食ポテンシャルの観点から評価した.植生伐採の効果は,植生が多く繁茂する小矢部川で4℃上昇を想定した場合,河川全体で平均0.2mの水位低下となった.田んぼダムは水田の土地利用が多い小矢部川で高い効果を発揮し,4℃上昇気候を想定し,田んぼダム適用率100%の場合で平均0.93m,50%で0.44mの水位低下となった.