2022 年 78 巻 6 号 p. II_27-II_35
海面処分場では構造的特徴等により廃棄物の安定化に長期を要するため,跡地利用へと移行できないことが問題となっている.海面処分場では,廃棄物の受入後に汚濁負荷を軽減する埋立方法等が検討されている.一方,海面処分場の上流側の廃棄物排出事業者が汚濁負荷軽減に関する責任の一端を有すると考えることもできるため,上流側で対策を講じることも必要である.そこで,本研究では,海面処分場の上・下流において溶出負荷制御を行った場合のLCCを算定して比較した.その結果,海面処分場の上流側の焼却処理施設における溶出負荷制御として処理薬剤の変更を行った場合の現状に対するLCC増加額が焼却残渣1tあたり1,369円/tであった.また,海面処分場における廃棄物を受入後の溶出負荷制御として分級処理を実施した場合のLCC増加額が989円/t,固化破砕処理を実施した場合がのLCC増加額が1,719円/tであった.一方,溶出負荷制御により海面処分場の維持管理期間を20年短縮できれば,すべてのケースにおいてLCCは削減されるという結果が得られた.