土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第50巻
過去30年の降雨パターンと土地利用の変化が瀬戸内海への淡水流入量に及ぼす影響
山根 成陽鹿島 千尋中谷 祐介
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 6 号 p. II_89-II_97

詳細
抄録

 閉鎖性海域である瀬戸内海を対象に,分布型流出モデルを構築し,過去約30年間における降雨パターンと土地利用の変化が各湾灘への淡水流入量に及ぼした影響を定量的に評価した.その結果,年間降水量や年間淡水流入量に有意な線形トレンドは認められなかった一方で,強雨による短期的な流出量は2010年代に全ての湾灘で増加し,特に大阪湾,播磨灘,備讃瀬戸などの東部海域で顕著であった.また,土地利用の変化に伴い,出水時の流量や流出率は全湾灘で増加し,特に市街地の増加率が大きかった中部海域(安芸灘,燧灘,備後灘)では約10%もの流量増加が生じる結果となった.今回の解析結果より,将来の瀬戸内海の流動・水質を予測する際には,気候変動に伴う降雨パターンの変化だけではなく,土地利用の変化も考慮した予測が重要であることが示唆された.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top