2022 年 78 巻 7 号 p. III_115-III_123
本研究は,ダム上下流河川の生息場構造及びその河川環境条件が底生動物の群集構造へ及ぼす影響を評価することを目的とした.生息場は流水部1種と止水性生息場3種(砂州頭ワンド,砂州尻ワンド,たまり)の計4種に分類し,それぞれの生息場について環境調査と底生動物の定量調査を行った.調査の結果,流水部と止水性生息場間で河川環境条件が異なることが明らかとなった.各生息場間の空間要素(ダム影響,生息場面積,止水性生息場スコア)と環境要素(流速,EC)の変動は底生動物の群集構造の変動の34%を説明した.群集構造の変動に対する説明力は,空間要素が環境要素よりも若干高くなっていた.止水性生息場は河川内の生息場異質性を高め,地点内の底生動物群集のγ多様性を底上げていることが示された.