2022 年 78 巻 7 号 p. III_275-III_284
本研究は,行政からの対策要請期間中における感染症対策強化の実態と意思およびそれらに影響を与える要因を,アンケート調査をもとに明らかにした.まず,COVID-19パンデミックから2年が経過していたこともあり,対策要請期間中にもかかわらず対策を強化している人は少なく,強化の程度は小さかった.ただし,今後1週間で市内の感染者数が1,000人に増えるという下水モニタリング情報は深刻に受け止められ,対策強化意思に影響を与えていた.その構造として,下水ウイルス情報発信サイト利用者の場合,感染リスク認知が高い,経済的不安が強い,または,利他的な人ほど,他者の対策不足に対して嫌悪感を抱き,対策強化意思を強めた.また,対策強化実態は追加の対策強化意思に影響を与えなかった.この構造は非利用者のそれと異なっていた.