2022 年 78 巻 7 号 p. III_339-III_347
オキシデーションディッチ法(OD法)の汚水処理施設におけるマイクロプラスチック(MPs)の動態および排出量を把握する目的で5か所の施設で調査を行った.長軸径0.5mm以上5mm未満の放流個数密度は2.0~4.5×10個/m3,質量密度は1.87×10-2~7.72mg/m3であった.下水処理プロセスにおいてMPsは細分化されて個数が増加するが,そのほとんどが汚泥とともに搬出されていることが明らかになった.また,OD法二次処理での平均個数除去率は92%,質量除去率は90.6%であり,砂ろ過での平均個数除去率は87%,質量除去率は96.7%であった.日本でOD法を採用している下水処理場全体でのMPs年間総排出量を推算した結果,長軸径0.5mm以上5mm未満のMPs年間個数排出量は1.4×1010個/年,質量排出量は1.16×103kg/年であり,長軸径1mm以上5mm未満の個数排出量は7.9×109個/年,質量排出量は1.11×103kg/年であった.