2022 年 78 巻 7 号 p. III_425-III_430
本研究では,LED照明の色と照度の違いが希少種で夜行性であるトウキョウサンショウウオの夜間活動量に及ぼす影響を明らかにすることを目的として実験を行った.実験には白色,青色,緑色,黄色,赤色のLEDを用い,1ルクスと10ルクスの照度下での本種の夜間活動量を消灯時の活動量と比較した.
1ルクスの実験では,白色光を照射した場合の本種の活動量は消灯時と比較して32%となり,青色光では42%,緑色光では44%,黄色光では64%,赤色光では35%となった.また,10ルクスでの実験では,照明の色に関わらず多くの個体が活動を行わず,活動量は消灯時と比較して0%から29%となった.このことから,照度が高くなれば,光色に関わらず本種の活動量は抑制されると考えられた.本研究より,同じ照度において夜間活動量を抑制する影響の大きさは白色≒赤色>緑色≒青色>黄色となると考えられた.