2022 年 78 巻 7 号 p. III_431-III_440
本研究では,実下水処理場での植物系バイオマス混合脱水システム導入における,バイオマス混合箇所の選定における情報収集を目的とし,消化汚泥,凝集剤および植物系バイオマスの混合条件について調査した.その結果,汚泥と植物系バイオマスを先に混合することで,凝集剤を先に混合するよりも脱水ケーキ含水率低減効果,ろ液へのバイオマス流出抑制効果,脱水ケーキ発生量の削減効果が高いことを示した.汚泥中にバイオマスが最も混合される薬注率の条件は,最低薬注率付近に存在することが示された.バイオマスの混合割合は,固形物比15%が最適であるが,5%~15%と幅広い範囲で効果がみられた.バイオマス選定においては,含水率低減効果の影響要因の一つとして吸水率を調査する意義があることを示した.