抄録
下水道工事に伴い敷設する函渠による地下水流動への影響に対して,函渠周辺に通水層(人工透水層)を敷設する全断面集排水工法を採用し,地下水を保全することとした.そこで,地下水に対する影響を,室内モデル実験,断面二次元浸透流解析および準三次元浸透流解析によって検証を行った.この中で,事業者,地下水利用関係者,学識経験者等で構成された宮水保存調査会の委員に,室内モデル実験における地下水の動向を直接視察し,理解を深めた上で審議を進めた.この結果,合意形成を図ることができ,事業を円滑に行えるとともに,日本でも有名な西宮の「宮水」の流動保全が行えた.本論文では,このような合意形成のために実施した室内モデル実験と解析をベースにした設計・施工の有用性について論述する.