抄録
本研究では,建設事業の事前評価などで実施される植生分布の現況調査に対して,空間的な連続性に基づいた広域的な視点からの新たな分析方法を開発した.広域の植生情報として地球観測衛星データから得られるNDVIに着目し,空間的自己相関分析法を応用した上で植生分布の連続性を表す正および負のSSC(Spatial Scale of Clumping)を提案するとともに,これらを地形データと仮定した水文解析により尾根線・谷線を抽出することで植生被覆量の多い箇所の集積し,かつ,SSCによって区分された郊外部と市街地部をつなぐ「植生分布変移軸」を定義した.「植生分布変移軸」の妥当性を検証した結果,これらの周辺では広域緑地計画などで指定された植生軸などよりもNDVIの高い値が集積している傾向が確認された.