2006 年 62 巻 3 号 p. 359-368
土壌洗浄技術の基本はフルイ,サイクロン,フローテーション等の分級・洗浄プロセスによって重金属や油の汚染物質を,細粒分を主体とした濃縮残渣に分離,濃縮することである.分級・洗浄プロセスによって分離された細粒分は,凝集沈殿・脱水プロセスを経て脱水ケーキ(濃縮残渣)として場外処分される.高品質かつ経済的な土壌洗浄を行うためには,効率的な凝集沈殿と脱水操作を行い,濃縮残渣の重量をできるだけ低減することが必要である.このためには,細粒分の物性に応じた凝集剤(無機系,有機高分子系)を選定するだけではなく,使用する凝集剤の最適注入条件を把握することが重要である.本研究は,凝集沈殿プロセスの管理指標として土の塑性指数と懸濁液のpHに着目し,細粒分懸濁液に対する凝集剤の最適注入量について実験的検討を行った.