抄録
1948年の福井地震により被害を受けた河川堤防は多く存在し,その後の集中豪雨による水位上昇に伴った高水で河川堤防が破堤するといった報告がある.従来,地震後における河川堤防の安全性は,地震時の天端沈下量と平常時の最高水位を基準に越流への評価はされているが,浸透への安全性が考慮されていない.地震・高水のような外力が作用する状況下で,地震による堤防の沈下量だけでなく,地震による堤体の変形と浸透性能の関連性の明確化を目的として,加振で変状した堤防の水位上昇に対する浸透性能評価を行うため,遠心模型実験を実施した.結果として,加振による堤防の変状により川裏側法尻部でクラックが発生した堤防は,高水時において滲出流量が増加し,クラックが起因となった進行的な破壊が発生することを確認した.