2020 年 76 巻 4 号 p. 411-428
グラウンドアンカー(以下,アンカー)の緊張力は,想定外の外力を受けない場合,一般に時間の経過とともに徐々に低下するとされ,維持管理においては,その残存率がアンカーの健全度を評価する一つの指標となっている.緊張力の低下は,アンカーが施工された法面などの地質条件の影響を受けると考えられるが,両者の関係について明らかにされていない.
そこで本論では,複数の法面のアンカーにおける施工直後の荷重計測および施工後数年から最大で40年後に実施したリフトオフ試験から求められる緊張力の残存率と,自由長部の地盤の岩級区分との関係を比較し,地質条件が緊張力の低下に与える影響について検討した.その結果,岩級区分の順に緊張力の低下が大きく,残存率の最大値と最小値の差およびばらつきが大きくなることが明らかになった.