2022 年 78 巻 2 号 p. 96-115
グラウンドアンカー(以下,アンカー)は,地すべり等による想定以上の外力に対して,アンカーの緊張力を増加させながら抑止効果を発揮する一方で,アンカーの引張り部は,抑止杭と同様にすべり面で変形し,曲げやせん断方向の外力を受ける可能性が考えられる.しかし,不可視な地中部のアンカーの変形状況の確認は困難であることから,地すべり変位によるアンカーの変形や変形による抑止機能への影響について,これまで十分な調査や評価は行われていなかった.本論では,アンカー破断が確認された地すべり地において,アンカーの残存緊張力観測やファイバースコープを用いた調査を行い,地すべり変位によるアンカーの破断状況や変形状況を明らかにするとともに,アンカーの変形によるアンカー性能への影響について検討を行った.