海水と接触するセメント処理土表面には,耐海水性機能を有する白色の水酸化マグネシウム層が析出されることがある.本研究では未だ不明瞭である当該物質の析出条件の解明を目指し,海水中のマグネシウム濃度とセメント処理土のpHの2種の生成要因について幾つかの室内試験から検討した.その結果,接触する水溶液のマグネシウム濃度が1,000mg/Lの場合,改良対象土の土質によらず,セメント処理土のpHが概ね12.5以上のときに水酸化マグネシウム層が生成されることが示された.また,接触する水溶液のマグネシウム濃度によって水酸化マグネシウム層が析出される処理土のpHが変動することが明らかになった.得られた実験結果から,処理土のpHと接触する海水中のマグネシウム濃度によって水酸化マグネシウム層の析出を判定できる領域を示した.
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