抄録
都市流域における豪雨時の雨水流出抑制方策の一つとして,ポーラスコンクリート(POC)舗装が各地で施工されている.POCは連続した粗大空隙により高い透水性をもつため雨水の浸透能力が高いものの,水平方向の排水能力も大きく,流出抑制のためには透水性を正しく評価することが必要となる.現在のPOCの透水試験法では,浸透流束が動水勾配に比例する線形ダルシー則を前提としたものとなっている.しかし,一般に粗粒媒体では流れが乱流となるため透水法則には非線形性が現れる可能性が高い.本研究では,POCの透水法則を明らかにする前段階として,細粒から粗粒にわたる均一粒径のガラス球を対象に詳細な透水実験を行い,粒径の増大に伴う透水法則の非線形性の形成を調べた.さらに流れの構造と透水法則との係わりについて水理学的検討を行い,粗粒媒体の非線形透水則に関する理論解を定式化した.