抄録
河川計画の策定,河道の維持管理には,河道の地形情報は必要不可欠である.緑色波長域のレーザを用いた航空レーザ測深(ALB:Airborne Laser Bathymetry)では陸部・水部を含む広域の連続的な河道形状が計測でき,従来よりも高精度で面的な河道地形が容易に得られる可能性がある.本研究では旭川下流河道6kmの区間を対象にALB計測を行い,河川定期縦横断測量結果などと比較することで,測量精度を検証した.また,ALB計測値を用いて浅水流解析を行い,従来の定期測量の内挿結果を用いた場合の解析結果と比較検討した.
定期横断測量との比較から,ALB計測は数cmから数十cm程度の精度で地形形状を再現できることが確認できた.また,ALBでは2m格子幅で面的に河道を再現することで,砂州と低水路の形状が以前よりも鮮明になり,流況解析では洪水時の流れの集中箇所が明確になることを示した.