土木学会論文集B1(水工学)
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和文論文
粒子フィルタを用いた実時間流出予測システムの開発と異なる状態量を持つ流出予測システムの精度比較
立川 康人藤田 翔子田中 裕士萬 和明市川 温
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2018 年 74 巻 2 号 p. 32-43

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抄録

 粒子フィルタを用いて,時々刻々,貯留量やモデルパラメータを推定しつつ河川流量を実時間で予測する並列型実時間流出予測システムを開発した.利根川上流域の薗原ダム流域(492km2)を対象として貯留関数法による降雨流出モデルをCommonMPを用いて作成し,それを計算エンジンとしてモデルパラメータを逐次更新する流出予測システム,貯留量を逐次更新する流出予測システム,それら両方を逐次更新する流出予測システムを構築した.それらの予測精度を分析して以下の結果を得た.貯留量をフィルタリングする流出予測システムが安定した予測精度を示した.この流出予測システムは大きさの異なる別の洪水にも適用可能であった.システムノイズの分散は予測精度に影響し,貯留量の0.1倍程度を標準偏差として与えることが適切と考えられる.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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