2018 年 74 巻 5 号 p. I_205-I_210
点推定を土台に理論構築されている最尤法とは異なり,ベイズ手法は,推定誤差に対して中心極限定理の仮定をすることがなく,したがって,母数推定は,確率分布で与えられるところに最大のメリットがある.また,母数分布は,サンプリングされた乱数による集合で表現されることも,MCMC等を用いたベイズ推定の特徴となっている.しかしながら,母数が確率分布で与えられることは,代表値が欲しい技術者にとって,悩ましい問題になる.本研究では,降水量の極大値の予測分布を検討するとともに,母数の代表値の決め方も提案する.