2019 年 75 巻 1 号 p. 332-339
本報は,西日本豪雨に見舞われた芦田川流域の水文データの分析・考察と,下流部本川と支川高屋川との合流部(9.6~10.4km)を対象域とし,6月と8月に実施したUAV空撮実験に基づき,河道地形ならびに植生域の豪雨被災の変況に関する考察を示した.水文データの分析・考察では,本川中下流域の4雨量観測所における7月5日~8日までの時間降雨量とその累積雨量の経時的変化を分析・評価した.福山での日最大雨量,2日連続雨量,3日連続雨量はいずれも過去最大値であり,日最大雨量の生起確率は1/130年と算出できた.また,この豪雨に伴う河川水位・流量の計測値は,いずれも過去最大となり,河川整備計画の目標値を超えた.次いでUAV3次元写真測量により河道地形変動を解析し,NDVI処理により植生の変化を解析した.