2020 年 76 巻 2 号 p. I_247-I_252
本研究はサーモカメラを用いた表面温度計測と,熱画像風速測定法に基づいた地表面近傍風速の直接観測に基づき,バルク法を用いた面的な顕熱フラックス計測手法を開発する.これを人工芝が張られた屋外サッカー場における大気陸面間の面的熱交換測定に応用し,その手法の妥当性を検証する.8月と3月に埼玉スタジアム2OO2にて観測を実施した.観測では本手法の精度検証のため,放射収支及び渦相関法による顕熱フラックスの測定を実施した.結果として,まず熱画像風速測定法による風速が精度よく地表面近傍風速を測定できていることを確認した.次に現地で測定したバルク係数を用いて,面的な顕熱フラックス分布を測定し,グラウンド上の不均一な分布形状を明らかにし,それが主に,風速の不均一性に起因していることを明らかにした.