2020 年 76 巻 2 号 p. I_295-I_300
堤防基盤の漏水に伴う破壊は,基盤の表層土質構造に密接に関係することが,現地や模型の堤防で確認されている.基礎地盤の表層土質構成を把握するものとして,治水地形分類図があるが,基盤漏水を考えて作成されたものではないため,旧河道は明瞭,不明瞭での表記であり,旧河道の形成過程や漏水との関係を読み取ることはできない.本研究は,旧河道の河道形成が読み取れる地形分類図を作成し,現地調査等を実施し,旧河道の新・旧区分を行うことで基盤漏水に影響のある旧河道を抽出できることを示した.また,地質縦横断図から旧河道と氾濫原の土質構成を調べた結果,表層粘性土が3m以下の旧河道付近で漏水が発生することを示した.さらに,200m程度の範囲内で旧河道に囲まれている氾濫原では噴砂を伴う漏水が発生しやすいことがわかった.