2020 年 76 巻 2 号 p. I_43-I_48
本研究では,観測データの乏しい流域(例えば気象観測期間が数年から10年程度)における気候変動影響評価研究を行うことを目的に,Web等から容易に入手可能な再解析データ(JRA-55)に対し,既往の研究で提案されている統計的補正手法を複数地点に適用し,準観測データを作成した.この統計的補正手法を構築するに当たり,どの程度の年数の観測値を利用することで,補正精度が高い準観測データを作成することが可能かを検証するため,本研究では最新の観測年から20年,15年,10年,5年と遡った期間を較正期間とすることで統計的補正手法を構築し,統計値および降水頻度分布の比較を行った.その結果,最低15年程度の観測(較正)期間を用いることで低頻度に発生する高降水量も含めて,観測値の統計情報を反映した高精度な準観測データを作成できる可能性が確認された.