2020 年 76 巻 2 号 p. I_433-I_438
洪水予測に使用されているフィルタには粒子フィルタをはじめとし多種があるが,フィルタの性能を情報量規準WAICによって評価した事例はない.洪水予測では,粒子の縮退が問題であるため,動体追跡,信号処理,画像認識,気象予報等の分野から,縮退に対応できる可能性がある5種類のフィルタを選定し,性能をWAICで評価した.フィルタの性能は,5種類ともに十分であったが,WAICにわずかな差があった.WAICの差の有意性を評価するために,予測雨量誤差を想定し,予測雨量誤差による水位誤差の大きさを解析し,水位誤差に占めるフィルタ間の差の大きさを推定した.その結果,予測水位誤差に対してフィルタ間の差が小さく,さらに,フィルタ間の差は非常に小さいことがわかり,5種のフィルタの性能にほとんど差がないと判断した.