2020 年 76 巻 2 号 p. I_487-I_492
損害保険業界では,リスク管理のために精緻な高潮リスク評価が求められている.米国ではJoint Probability Method (JPM)と呼ばれる手法により確率論的な高潮リスク評価を行ってきたが,その計算負荷の大きさから,近年ではJoint Probability Method – Optimal Sampling (JPM-OS)と呼ばれる手法により計算負荷を抑えた評価方法が適用されているものの計算精度がJPMと比較し落ちることが分かっている.既往研究による天文潮位の不確実性を考慮可能で計算負荷削減を目的とした高潮リスク評価手続きでは,計算負荷削減による計算精度の維持に関する考察が不十分である.
そこで本研究では,既往研究による高潮リスク評価手続きを資産が集積する東京湾に適用し,計算負荷削減により計算精度が維持できているかどうか考察することで,評価手続きの有用性を確認した.