2021 年 77 巻 2 号 p. I_175-I_180
雄物川を対象として,d4PDFの過去実験1500年および将来実験5400年の降雨データと降雨流出氾濫モデルから河川流量将来変化倍率を求めた.その結果はおおむね国土交通省による推計と一致した.一方で,その予測の幅を降雨継続時間に基づく降雨イベントの抽出方法,海面水温パターン,河川縦断方向の地点の違いの3つの要因から分析したところ,降雨イベント抽出方法が倍率に与える影響は比較的小さく,他方で海面水温パターン,及び河川縦断方向の地点の違いが倍率に大きな影響をもたらすことが明らかとなった.本研究により,雄物川水系で大規模気候予測情報に基づき河川流量将来変化倍率を検討する際には,海面水温による結果の差と河川縦断方向の地点での差について検討することの重要性が示された.