2021 年 77 巻 2 号 p. I_217-I_222
近年,全球水資源モデルの開発や5分または6分空間解像度への高解像度化が進んでいるが,グリッド間の水輸送機能に課題が残りグリッドスケールでの評価では水ストレスが過大評価される傾向にあった.本研究では都市スケールの評価に取り組み,20都市における水需要と都市に供給可能な水資源量を推定することにより,都市ごとの水ストレス評価を行い,グリッド間の水輸送に関する問題解決を試みた.実際に取水されている場所の位置データと導水路からの水輸送量を考慮した月別水ストレス評価を行った.月別水ストレス評価により,季節変動による水需給の変動性や導水インフラの考慮による水供給への効果を検証することができた.また,上流側の取水や貯水池操作による水ストレスへの影響を評価した.