2021 年 77 巻 2 号 p. I_577-I_582
排砂バイパストンネルは,恒久的な堆砂対策として貯水池の長寿命化や流砂の連続性の観点から注目されている.しかし,先進的な技術であり適用例が少ないため運用を最適化するための十分な知見が得られていない.そこで本研究では長野県小渋ダムの排砂バイパストンネルを対象に,ダム上流河道で実施されている流砂観測データを用いて,洪水履歴による土砂動態を表すヒステリシスを基づく土砂流出特性を分析し,流量と掃流砂量の関係を求めた.また,SBT入口の直上にある分派堰をモデル化し,分派湖の堆砂量の推移を算出した.そして,排砂バイパストンネルの運用ルールを変えた場合の分派湖内堆砂量から,ダム貯水池内へ流入する土砂をできるだけ少なくするような分派湖堆砂量の維持掘削量の提案を行った.