2021 年 77 巻 2 号 p. I_997-I_1002
流域規模の水温特性を支配する要因を明らかにするために,観測水温と平衡水温に基づく指標である修正熱感度(dMmTw/dMmTeq)もしくは熱平衡偏差(MaTw−MaTeq)を目的変数,流域と河道に関する33の特徴量を説明変数とする回帰木モデルを構築し,それを用いて変数重要度の分析を行った.その結果,修正熱感度については,主流長,主流勾配など河道特性と,集水面積,最低標高など集水域の地形に関する要素が重要度の高い変数として検出された.また,熱平衡偏差については,森林,草地,農地など集水域の地被に関する変数や,河川水の昇温を駆動する日射を受ける斜面方位の重要性が示された.