2022 年 78 巻 2 号 p. I_235-I_240
千葉県における流域治水対策として,広域に分布する谷津地形を活用した洪水調節が挙げられる.本研究では,一宮川流域を対象とした流域治水モデルの構築を行うべく,格子解像度の異なる水文地形データを用いた流出解析を行い,谷津を有する河川流域の計算精度を検証した.その結果,150m解像度のピーク流量は30m解像度の64%となり,計算結果が大きく異なるという結果が得られた.これは,格子解像度が粗いと谷津特有の局所的な標高の高低差が平滑化されることにより,流量フラックスを過小評価し,結果として河道への流出量を過小評価することが示された.以上より,谷津を有する流域での数値モデリングにおいて,地形データを高解像度で反映する必要があることを示した.