2022 年 78 巻 2 号 p. I_769-I_774
エアスパージング工法は,揮発性有機化合物による地下水汚染の原位置浄化工法の一つとして広く知られているが,注入空気の挙動に十分注意する必要がある.本研究では,多孔質媒体内の気液2相流解析と,自己相似型空間分布モデルを用いた2次元数値シミュレーションにより,等方性不均一場および層状異方性不均一場における空気注入時の間隙空気の挙動について検討した.その結果,注入空気の影響範囲は等方性不均一場では概ね均一場に近いものの,層状異方性不均一場では,透水性(透気性)分布によって水平方向の影響範囲が大きく異なり,不飽和帯における汚染空気の回収が不十分となる可能性が生じ得ることを示した.加えて,地盤の透水性が大きくなるほどその傾向が強くなることを示した.