抄録
本研究では,駐車場料金や動的な混雑料金がピーク時の交通状態・通勤者の通勤費用に与える影響を調べる.そのために,異質な通勤者による出発時刻・駐車位置選択をモデル化し,料金政策の有無別に均衡状態の特性を分析する.そして,得られた均衡状態を比較することで,各政策の効果に関する次の性質を明らかにする: 1)政策を導入していない場合,異質な通勤者間の相互作用により非効率的な出発時刻・駐車位置分布が実現する.2) 駐車場料金の導入や駐車場の拡大は交通需要を時間的に集中させる効果をもつため,交通渋滞や総通勤費用を悪化させる可能性がある.3) 混雑料金と駐車場料金を組み合せることで社会的最適状態が達成される.4) 混雑料金と駐車場料金の収入は,各々,最適なボトルネック容量と駐車場容量を実現するための費用と完全に一致する.