抄録
空間情報基盤の整備によって,土地利用や人口動態などの地理情報はより小さな集計単位で入手できるようになったが,その特徴を適切に把握・圧縮する方法の開発は進んでいない.本研究では因子分析とトピックモデルの類似性を指摘した上で,集計単位の小さな地理情報への適用を通じて,後者の利点を明らかにした.中国地方5県の県庁所在都市を対象に,3次メッシュレベルで12属性を収集した.トピックモデルへの入力データは,自然階級分類によって12属性を96階級別属性に離散化して作成した.分析の結果,トピックモデルからは8種類の地理特性が得られたが,因子分析からは3種類しか得られなかった.トピックモデルから得たメッシュ別で最も優勢な地理特性の空間分布は,実都市の構造を適切にとらえており,同モデルの利点が確認できた.