2019 年 75 巻 2 号 p. 70-89
本研究は,道路構造物損傷の主要因である「大型貨物車の交通荷重」の情報を効率的に収集するための,道路ネットワークにおける車重計の配置方法に関する知見を得ることを目的とする.3つの配置方法(I「交通量」,II「走行経路」,III「走行経路および車両重量」の情報を活用した配置方法)を提案し,道路交通センサスOD調査で取得された個々の車両の重量や発着地などの情報を用いて千葉県南部地域の実道路ネットワークを対象に,配置方法の効率性を比較分析した.この結果,「交通量」といった地点毎の簡易的な情報に基づいて配置箇所を選定する方法と比較して,「経路」および「重量」といった個々の車両に関する詳細な情報に基づいて配置箇所を選定することで,収集できる交通荷重情報の量が4倍程度になることなどを示した.