2020 年 76 巻 4 号 p. 334-346
本研究では,模擬道路での走行実験と実交差点における観測調査を下に,カウント表示の有無による車両の発進特性比較を行った.分析では,青切り替わり1秒以内の各信号デザインの微視的な車両挙動比較に基づき,1秒以内のフライング特性や1m範囲での加速特性などを比較分析した.また,目盛り表示を含むカウント表示デザインを全9種類試行し,安全かつ素早い発進ができるデザインの考察も行った.限定された条件下ではあるものの,分析の結果,初動フライング割合が青切り替わり0秒から-1秒の間に交差点調査(カウントなし)と走行実験(カウントあり)で逆転すること,カウント表示することで発進のタイミングがつかみやすくなり,非初動フライング時には素早く発進するが,初動フライング時にはゆっくり発進する傾向があることなどがわかった.