2021 年 76 巻 5 号 p. I_425-I_435
本研究は,世帯マイクロシミュレーションに基づいた将来都市構造の予測技術の開発のうち,初期世帯マイクロデータ生成に関する実用化の一環として,水流ら(2019)の方法をベースとしつつ,誤差修正の計算時間を大幅に短縮するためのアルゴリズムを改良・追加し,かつ既存研究よりもさらに精度の高い推計が可能な初期世帯マイクロデータの推計方法を提案することを目的としている.また,この初期世帯マイクロデータ生成のための計算アルゴリズムの有効性を検証するため,富山県富山市を対象として,今回提案する計算アルゴリズムを実装し,オープンデータを用いたケーススタディを実施した.その結果,計算時間が大幅に減少できることを確認した.