2021 年 77 巻 2 号 p. 141-150
本研究は,COVID-19流行下における国内旅行実施や目的地選択において重要視する要因を首都圏,近畿圏,東北地方でのWebアンケート調査データにより明らかにした.COVID-19の罹患を危惧するサンプルが74%を占め,今後1年以内の国内観光旅行実施意向を有するのは36%にとどまった.さらに,目的地選択理由の回答組み合わせパターンを抽出できる潜在クラス分析を適用した結果,9クラスに分類できること,感染症対策に関連する全要因を考慮するクラスが最も構成比率が高く(35%),2番目としていずれも考慮しないクラス(22%)が認められることがわかった.さらに,上位2位のクラスと性別,年齢階層,感染症に対する意識,同居子供の有無との関連を考察することができた.