2021 年 77 巻 2 号 p. 62-71
近年,自治体において空き家の空間分布の推定や,その将来予測への需要が高まりつつある.本研究では,自治体が保有するデータから将来の空き家分布を予測するための手法構築を目的とし,機械学習的アルゴリズムに基づく推定を行った.結果,以下の知見を得た.第一に,提案モデルは決定木ベースのモデルであり,欠損値のあるデータや複数の種類の自治体保有データを柔軟に扱うことが可能となった.第二に,モデルの重要な特徴量として建築年,建築面積,住宅種別などが挙げられたが,これらは既往研究での結果を支持するとともに,本手法で適切な特徴量が用いられているとわかった.第三に,本モデルにおいてメッシュ単位での空き家・居住地の的中率は約84.3%かつ全メッシュの59.4%が誤差1件以内であり,自治体内部で検討する際に十分な精度を得た.