2022 年 8 巻 2 号 p. A_300-A_309
本研究では,都市高速道路の渋滞頻発箇所を対象として非渋滞領域における速度低下要因の明確化,非渋滞領域で速度低下が発生した際に減速波の発生に至るか否かを判別できる要因の明確化を試みた.基礎分析では連続走行軌跡データを用いて交通特性と速度の関係についてコンター図を比較し,車尾時間や車間距離を用いて車群特性を定義し,減速波の状態を定義した.続いて経時性を考慮した重回帰分析により速度低下要因を,判別分析により減速波発生要因を検証した.
知見として,交通量の増加により左車線利用率が増加し,増加が頭打ちになると速度低下が起こり,短車尾時間車両割合が小さく,短車間距離車両割合が大きくなること,減速波の発生を判別できる要因として交通量や車線利用,車群特性やコンフリクト大の車線変更を考慮できることが示唆された.