2023 年 79 巻 1 号 論文ID: 22-00033
アジア諸外国において都市鉄道整備が活発化している.政府の財源不足からPPP事業による整備が採用され,沿線開発事業による内部補助を志向してきたが,その多くは経営破綻し政府が対応を迫られてきた.本研究の目的は,正確な土地利用データがない発展途上国でも都市開発の進展を把握できる方法を確立し,それを用いて鉄道整備と沿線開発の関連性を分析し,アジアの鉄道建設意思決定者にその知見を提供することである.バンコクを対象地域として,衛星写真による開発の詳細な変遷とNDVIの時系列変化を比較し,NDVIが広域開発に関する評価手法として適当なことを確認した.この手法を用いて,バンコクでは中心から20~30km四方で特に開発が活発化していること,MRTパープルライン沿線の開発が顕著なことが明らかになった.