2023 年 79 巻 13 号 論文ID: 22-13028
超過作用下で機能が損なわれない又は早期復旧できる道路橋を実現するために崩壊シナリオデザイン設計法が提案されており,それを実現する手段として耐力階層化鉄筋を用いたRC橋脚(以下,耐力階層化橋脚)が検討されている.その一環として,現行基準に基づくRC橋脚や耐力階層化橋脚の材料特性及び地盤特性の値をばらつかせた動的解析(計1,200ケース)を行い,それらがシナリオに及ぼす影響を検討した.その結果,現行のRC橋脚はレベル2地震動に対して9割以上の信頼性で橋脚基部が塑性化する,狙い通りのシナリオになるよう設計されていることを確認した.一方,超過地震動に対して,耐力階層化を考慮しなかった設計では多くが橋脚の限界状態3を超過するが,耐力階層化橋脚では9割以上の信頼性で倒壊を回避するシナリオへと誘導できることが示された.