2023 年 79 巻 13 号 論文ID: 22-13029
盛土構造物の地震時挙動を精度良く評価するためには,対象の振動特性や構成する材料の動的変形特性を詳細に把握する必要がある.しかし,盛土構造物の地震観測事例は少なく,実地震時の盛土構造物の固有周期や減衰特性,さらには構成する材料の動的変形特性を検証する必要がある.本研究は,平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震で震度6強程度の記録が観測された河川堤防を対象に,盛土構造物の工学的基盤と盛土天端の観測記録を用いて部分空間法に基づくシステム同定を実施し,盛土構造物の固有周期と減衰特性の経時的な変化を評価することで盛土材料の動的変形特性を推定した.推定結果は,地盤調査より評価される動的変形特性と概ね一致した.