2023 年 79 巻 13 号 論文ID: 22-13037
鉄道では,2018年大阪府北部地震等において,地震後の被害状況の把握やその後の復旧作業等に時間を要し,早期運転再開の観点で課題が浮き彫りになった.今後,地震時の復旧性に関する構造物の性能評価がより重要になってくると考えられる.そこで本検討では,構造種別,損傷レベルに応じた地震時の復旧日数を把握するための基礎的な検討として,復旧日数の統一的な評価を試みた.具体的には,まず過去の地震における復旧事例に基づいて体系的な整理を行った.さらに既往の事例では数に限りがあるため,構造種別,損傷レベルに応じて復旧に必要な工種を整理するとともに,各作業に要する日数を積算した.その結果,積算に基づく復旧日数は実事例の復旧日数と概ね整合していることを確認した.