土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
鎌倉由比ガ浜における離岸流検知AIモデルの構築と離岸流の発生特性
石川 仁憲島田 良小峯 力
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17012

詳細
抄録

 海水浴場における水難事故の主要因は離岸流である.本研究では,由比ガ浜を対象に,オープンエリアで突発的,断続的に発生する離岸流を検知可能なAIモデルを構築し,夏季2ヶ月間の離岸流検知結果から波浪条件との関係を調べ,対象海岸における離岸流の発生特性を考察した.台風による暴浪時を除き,ポケットビーチの中央付近を望むCam 1の撮影範囲では,波高及び波のエネルギーフラックスが高いほど,離岸流検知数が多くなる傾向がみられた.撮影範囲の海岸線方向角180°に対して,波向が15°西寄りの195°の場合に離岸流検知数が多かった.1時間あたりの離岸流検知数は,10%以下に相当する360回以下が最も多く,波高や波のエネルギーフラックスが比較的に小さい条件であったことから,対象海岸では穏やかな波浪条件でも断続的に離岸流が発生しやすいと考えられた.

著者関連情報
© 2023 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top