2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17149
マングローブ等の沿岸植生の津波や波浪に対する減衰効果について,種々の波浪条件や地形条件に対して実用的なモデルを構築するには,砕波や乱流などを扱える三次元モデルの開発が重要となるが,計算コストを抑えたモデリング手法の確立が必須となる.吉田ら(2022)は,マングローブを対象とし,Dupuit-Forchheimer則(以下DF則)を用いて,抵抗係数を適切に設定することで,マングローブ樹林の4倍程度の格子サイズでも妥当な計算結果が得られる可能性があることを示した.そこで本研究では,複数の実験ケースを対象に,DF則を適用する際の抵抗係数と数値モデルの格子解像度の違いが波高減衰の再現精度に与える影響について検討することを目的とした.結果,DF則を用いた場合に,マングローブによる波高減衰効果を再現することができた.