2023 年 79 巻 27 号 論文ID: 23-27025
キャピラリーバリアは地盤内への雨水の浸透を抑制する効果が期待され,その性能評価方法に関して,実験的・理論的にも多くの知見が得られている.一方,低透水層から高透水層への浸透時にわずかな不均一性によって発生するフィンガー流と呼ばれる局所的な流れについては,実験的には確認されているものの,定量的評価方法は確立されていない.本研究では,フィンガー流の発生を考慮することが可能である不均一地盤の空間分布モデルを用いて,2次元数値シミュレーションにより,不均一性が遮水性能に及ぼす影響を定量的に評価することを試みた.その結果,不均一場における遮水性能は均一場と比較して上層部の透水性の影響を受け易いこと,また,実降雨を与えた長期的評価においても不均一場では遮水性能が低下することを示した.