2024 年 80 巻 10 号 論文ID: 22-00201
地方中核都市では公共交通のサービスレベル向上と運行効率化のために幹線・支線化などの路線再編の取組が検討されることがある.しかし,乗換えによる乗客の減少などの懸念からスムーズに路線再編の計画が進まない例も多く,その原因に路線再編の効果や影響を十分に分析できていない可能性があると考えた.また,近年注目されるウォーカブルなまちなかのための道路空間再編の検討とバス路線再編の関係を考慮した統合的な分析も有益と考えた.本研究では,水戸市を対象にバスの乗降データを活用した遅延実態把握と路線再編の効果について,道路空間再編の視点も加味して分析を行い,主体別に路線再編のメリットデメリットを定量的に明らかにし,道路空間再編のためのバス交通量負荷軽減効果についても試算した.